株主からの株式譲渡承認請求に対し、会社を買受人と指定して、買取価格の交渉を行った事例
事件の内容
依頼者である会社は、譲渡制限株式を発行していました。株主のひとりが会社と対立して独立した後、その人が所有する当該会社の株式を第三者に譲渡するから取締役会で承認してほしいという通知がなされた事案です。
結果
適法な手続を経た後、株主との間で株式の売買価格につき合意に至り、売買代金を支払いました。
解決までの期間
3ヶ月
主な争点
株式の売買代金が問題となりました。
弁護士のコメント
株式の譲渡承認請求は、手続が非常に面倒です。
先方から通知を受け取った後、速やかに取締役会を開催して、2週間以内に先方に回答書を発送したり、その後、株主総会を開催して、40日以内に再度の通知を発送したりと、各段階で期限がついて回ります。
この期限に少しでも遅れると、株式の譲渡を承認したことになってしまいますので、会社が意図しない者が株主となり、会社経営に口を出すようになってしまうおそれがあります。ですので、非常に神経を使う手続となります。
また、40日以内に行う通知は、その前提として、一定の金額を供託しておかなければなりません。しかも、譲渡制限のあった株式の株式数や会社の規模によってはかなりの金額になることもあります。
株式の売買代金の交渉がメインとなるのですが、それまでに行うべき手続が多すぎて、とても大変でした。
最終的に金額が折り合わない場合には、これまた定められた期限内に裁判所に申立を行わなければなりませんが、本件では、幸いにして金額面で折り合うことができました。
供託時の金額算出や売買代金の交渉のために、税理士の先生との連携が不可欠です。
取手駅前法律事務所
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