先方からの請求を約250万円減額した事例
事件の内容
依頼者が前方に停止中の自動車に衝突してしまい、被害者から約550万円の支払いを求める訴訟を提起されてしまったという事案です。
お互い会社の業務中の事故で、被害者には労災で損害金の一部が支払われており、被害者は、残額の支払いを求めてきたのでした。
結果
先方からの請求を約250万円減額するかたちで訴訟上の和解を成立させることができました。
解決までの期間
4か月
主な争点
損害の額が問題となりました。
弁護士のコメント
本件では事故によって被害者が頸椎捻挫となり、後遺障害14級が認定されました。
慰謝料は、入通院期間の長さによって計算がなされますが、他覚症状(患者以外の人が客観的にわかる症状)のある場合とない場合とで金額が異なってきます。頸椎捻挫(いわゆるむち打ち)は、コルセットをしている場合は別ですが、普通は他人が見ても怪我をしているかどうかわからないので、他覚症状のない場合に該当します。他覚症状のない場合は、ある場合よりも金額が低くなるのですが、本件の被害者は、他覚症状のある場合の基準で慰謝料を請求してきました。そこで、当方は、訴訟において他覚症状のない場合の基準によって計算した金額を主張しました。
また、逸失利益については、これまでの収入、後遺障害の等級に応じた労働能力喪失率、年齢に応じた労働能力喪失期間をもとに計算をします。労働能力喪失期間は、原則として67歳まで働くと仮定して、あと何年働けるかで期間を出しますが、頸椎捻挫の場合には、特別の事情のない限り、5年程度とされることが実務で定着しています。本件の被害者は、5年ではなく67歳までの年数で計算をしてきており、その点についても反論を行いました。
裁判所は、当方の主張を全面的に認めた内容での和解勧告をしてきて、先方もこれに納得したため、訴訟上で和解を成立させることができました。
取手駅前法律事務所
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