ネット販売/ネット通販
利用規約と約款
ネットショップは、パソコンやスマートフォン、携帯などでサイト内の商品の写真や内容説明などを見て簡単に買い物が行えるようになっていますが、その際最も問題となりやすいのは実際に届いた商品が「写真や内容説明と異なっていた」場合です。
気に入らないからと言って返品・返金を求められた際、返品・返金にかかる送料や手数料をどうするのかという問題が新たに発生してきます。このような問題を未然に防ぐために利用規約・約款があります。
利用規約・約款を他のサイトをコピーして作られる方は少なくないと思いますが、そもそも利用規約・約款を作成する目的は売り手と買い手のお互い顔が見えないことで起こる取引で生じるさまざまなリスクを少しでも軽減することです。
コピーして作った利用規約や約款では、実際にトラブルが起こったときのリスクを広げてしまうかもしれません。あらかじめ自社に合った利用規約・約款を作っておくことで、今後起こりうるリスクに対してある程度の言及ができ、実際にそれに関するクレームなどがあった場合、相手を説得する材料となります。
利用規約や約款の作成を弁護士に依頼する場合、費用を心配される方も多いようですが、当事務所では、基本的には、一から作成すると費用も高額となることが多いため、書式等を上手に活用した上で、個別の事情に応じて作りこむ方法をとり、効率化を図っています。
利用規約・約款の作成が必要な場合、または自サイトの利用規約や約款が有効なものなのかチェックして欲しい不安だ、という場合は、まずは、弁護士による法律相談をご利用されることをお薦め致します。
広告内容・表示・表記方法の問題
ページ上で少しでも良い商品に見せるために、行き過ぎた表現になってしまっていませんか?ネットショップのページ上に表示する広告内容は、様々な法律によって規制を受けます。中でも重要なものが『不当景品類及び不当表示防止法(景表法)』や『薬事法』による規制です。
景表法では、消費者に誤認されるような不当な表示を禁止しています。不当表示を行った違反業者に対して、消費者庁は、再販防止策の実施、今後同様の行為を行わないことなどを命じる措置命令をだします。措置命令をうければ、顧客からの信用を失い、事業に悪影響がでてしまいます。
景表法が禁止する不当な表示は3つあります。1つは、優良誤認表示です。商品・サービスの品質や規格、価格や取引条件などについて、実際の内容や他と比べて著しく優良であったり、競合他社の商品・サービスと比較して根拠もなく有利であるかのように消費者に誤認させてしまう表示です。2つ目は、有利誤認表示です。
商品やサービスの取引条件に関して、現実よりも著しく有利であると消費者に誤認させてしまう表示です。競合他社の取引条件と比較して、有利であると偽る場合も含みます。3つ目は内閣総理大臣が指定する表示です。内閣総理大臣が消費者に誤認される恐れがあるものとして指定した場合です。
また、特商法や健康増進法では誇大広告が禁止されています。行き過ぎた表現やウソの表現は消費者の信用をなくしてしまうもの。くれぐれも注意しましょう。
人の体への効果・効能を記載するためには、条件があります。 薬事法で定められている「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」や健康増進法で定められている「特定保健用食品」は、厚生労働省から承認を得なければいけないもので、認められた範囲でしか効果効能を記載することができません。
承認されていないもの、つまり上記以外の「食品」「飲料」「健康食品」「健康器具」などに効果効能を標榜することはできません。また、認められた効果効能の範囲を超えて標榜することもできません。十分に注意しましょう。
景品表示法の条文を読んでもどういう対策を講じればよいのかわからない。参考情報も少なく悩むばかりで解決策が見つからない。いつどのような指導を受けるのかと、不安だという場合は、弁護士による法律相談をご利用されることをお薦め致します。
著作権の問題
無断でインターネット上の記事を使用したり、撮影した写真をホームページの背景に使ったり、映画データをインターネット上に公開したりすると、原則として著作権法違反となります。インターネット上に掲載されている記事や写真などの著作物は、営利目的でない場合でも著作権侵害になる場合があります。
著作物とは、著作権法2条1項で、「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」と定義されており、以下のようなものが「著作物」として例示されています。
・言語の著作物・・・論文、小説、脚本、詩歌、俳句、講演など
・音楽の著作物・・・楽曲及び楽曲を伴う歌詞
・舞踊、無言劇の著作物・・・日本舞踊、バレエ、ダンスなどの舞踏やパントマイムの振り付け
・美術の著作物・・・絵画、版画、彫刻、まんが、書、舞台装置など(美術工芸品も含む)
・建築の著作物・・・建造物自体設計、図は図形の著作物
・地図、図形の著作物・・・地図と学術的な図面、図表、模型など
・映画の著作物・・・劇場映画、テレビ映画、ビデオソフトなど
・写真の著作物・・・写真、グラビアなど
・プログラムの著作物・・・コンピュータ・プログラム
著作権を侵害された場合は、侵害者に対して、侵害行為の差止め請求、損害賠償請求、信用回復措置請求書等を求めることができます。著作権侵害者は、被害者が告訴することにより、刑事責任も問われ、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金です。なお、「懲役刑」と「罰金刑」は併科することができます。
著作権に関する問題が発生しましたら、当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。
取手駅前法律事務所
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